葛飾北斎
かつしかほくさい
冨嶽三十六景 上総ノ海路
ふがくさんじゅうろっけい かずさのうなじ
天保初期(1830~34)頃、大判錦絵、[永田コレクション]
Katsushika Hokusai
The series Thirty-six views of Mt.Fuji (Fugaku sanjūrokkei) : Sea route of Kazusa province
[Nagata Seiji collection]
雲一つない晴天の下、江戸湾を航行する二艘の弁財船を大きく捉えています。弁財船は江戸時代の貨物船で、千石船ともよばれました。北斎の絵手本類には、建造物の細緻な描写が多々見られますが、本図にもそうした北斎の造形志向がよく示されています。なお本図の約30年前に刊行された『東遊』(1799)でも、北斎はよく似た図様の挿絵(関連画像)を描いています。
読み方:弁財船=べざいせん