葛飾北斎
かつしかほくさい

冨嶽三十六景　相州七里浜
ふがくさんじゅうろっけい　そうしゅうしちりがはま

天保初期（1830～34）頃、大判錦絵、［永田コレクション］

Katsushika Hokusai
The series Thirty-six views of Mt.Fuji (Fugaku sanjūrokkei) :
Shichiri-ga-hama in Sagami province
[Nagata Seiji collection]

七里ヶ浜は、鎌倉の稲村ヶ崎から小動岬までの浜辺です。近くの江の島は人気の参詣スポットで、多くの浮世絵で、江の島詣で賑わう様が描かれています。しかし本図では、《冨嶽三十六景》全46図中、鶴を主役とした「相州梅沢左」を除いて唯一、人物が一切描かれていません。藍を基調とした涼やかな藍摺と相まって、水墨画の山水表現を思わせるような、静穏な風景が広がっています。
読み方：小動岬＝こゆるぎみさき／藍摺＝あいずり