葛飾北斎 山吹と桜

葛飾北斎
かつしかほくさい

(山吹と桜)
(やまぶきとさくら)

文化二年(1805)頃、摺物、[永田コレクション]

Katsushika Hokusai
Kerria japonica and cherry blossoms
[Nagata Seiji collection]

桜と山吹が美しく花を咲かせ、ゆったりと流れる水面にその影を映しています。どこか寂しげな風情を漂わせるこの摺物は、享和三年(1803)4月1日に没した長唄の二代杵屋弥十郎の三回忌追善のため、文化二年(1805)4月に配られたものと考証されています。ちなみに本作品の「九々蜃」落款(「キュウキュウシン」または「ククシン」と読むのか不詳)は、この年に見られる特殊な落款として知られています。

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