葛飾北斎
かつしかほくさい
(十六むさしで遊ぶ子供)[津和野藩伝来摺物]
(じゅうろくむさしであそぶこども)
寛政元年(1789)、摺物(大小)、[永田コレクション]
Katsushika Hokusai
Children playing a board game(Surimono formerly owned by the Tsuwano clan)
[Nagata Seiji collection]
十六むさしというボードゲームで遊ぶ子どもが描かれていますが、「大小」とよばれる暦にもなっています。江戸時代における暦は、1ヶ月が30日の大の月と29日の小の月の並びや閏月の有無が年毎に変わったため、その年の大小の月が分かる暦が必要でした。本作品では、盤上の駒に寛政元年の小の月(三月・五月・閏六月・七月・九月・十一月)の数字が記されています(関連画像)。寛政元年は北斎の数え30歳の年で、北斎が手がけた数ある摺物の中でも初期の稀少な作例です。
読み方:閏月=うるうづき