葛飾北斎
かつしかほくさい
(おし鳥)
(おしどり)
文化十一年(1814)頃、摺物、[永田コレクション]
Katsushika Hokusai
Mandarin ducks
[Nagata Seiji collection]
精緻な彫りと細やかな摺りが光る豪華な摺物です。画中に「二代目北斎」が画名を譲り与えられたことに感謝する一文があり、初代北斎から二代北斎への画号譲渡を記念した摺物と分かります。二代北斎をはじめ北斎門人らの句が並ぶ中、北斎も「北斎改戴斗」の名で一句寄せています。北斎が詠んだ「やかて咲 むめ(梅)をたのミや 冬の庭」は、鴛鴦の上に描かれた、開花間近の梅の花と対応しています。なお、この番いの鴛鴦の図は『北斎写真画譜』(関連画像)に同一の図が収載されています。
読み方:鴛鴦=おしどり/番い=つがい