葛飾北斎
かつしかほくさい
(巳待の御札)[津和野藩伝来摺物]
(みまちのおふだ)
寛政九年(1797)、摺物、[永田コレクション]
Katsushika Hokusai
Woman holding a talisman(Surimono formerly owned by the Tsuwano clan)
[Nagata Seiji collection]
「己巳待御祈禱御札」と書かれた巳待の祈祷札を頂く御殿女中を大首絵で描いています。「巳待」とは、60日に1度の己巳の日の巳の刻(午前10時頃)に弁財天を祀る信仰で、このことから版行年は宗理期の巳年・寛政九年(1797)と分かります。本作品は繊細な着物の紅色もよく残り、また北斎が手がけた数少ない美人大首絵の作例としても注目されます。
読み方:己巳=つちのとみ