歌川広重 東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪

歌川広重 ≪東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪≫

歌川広重
≪東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪≫

われわれ大衆のもの

「私は夜一人でよく書斎にこもり浮世絵を眺めている。その時が一番心の休まる時である。絵をみつめていると作者の心にふれるような気がする。(中略)売れ過ぎて画債に追われ、心に添わぬ駄作まで発表させられた広重の気持等、一生物を作る事に従事してきた自分だけに分かるような気がする。(中略)彼第がいかに経済的に恵まれなかったかは現在でも残っている広重の遺言状が証明している。それにはこの家をたたんで借金を返せとまでかかれている。(中略)現代作家の豪華な邸宅、アトリエを想うと、まったく感慨無量である。私は、浮世絵は作家も作品もわれわれ大衆のものと思っている。」(「山陰中央新報寄稿文」より)
作品情報・解説